谷根千側は昭和の風情が色濃く残っている
先述の「住んで良かった街ランキング」では一口に「日暮里」と括られていますが、この街は完全に2つの街に分けて考える必要があります。すなわち、山手線の内側の「谷根千側」と、外側の「繊維街側」です。
谷根千側は昭和の風情がいまだに色濃く残っていて、テレビや雑誌などで取り上げられることも多い観光地。休日ともなれば、多くの観光客が街を練り歩き、歩くにも苦労するほどです。観光地ゆえに夜が早く、大型スーパーもあまりないので、買い物の便は今ひとつに感じるかもしれませんが、谷中商店街の惣菜屋や肉屋、魚屋などを眺めながら散歩する生活はとても優雅でしょう。
一方、繊維街側はもともと住宅とオフィスが混在する街並みでしたが、近年開発が進み、大型マンションのプロジェクトが続々と進行中です。谷根千側と比べれば風情はなく、緑も少ないですが、スーパーは充実しており、生活の便ならこちらに軍配が上がります。
「住んで良かった街ランキング」の結果発表を見ると、採用されている画像のほとんどは谷根千側です。どちらを選ぶかは好みによると思いますが、谷根千の雰囲気に魅力を感じて日暮里に住んでみようと思った人が、繊維街側を選んだ場合、「あれっ?」と思うかもしれません。
ワンルーム・1K・1DKで8.48万円(ライフルホームズ調べ。5月9日時点)という家賃相場は、「東京駅まで12分」という鉄道事情を考えれば破格値です。谷根千側で風情を楽しむも良し、繊維街側に住んで、目一杯、立地の良さを味わい尽くすも良しですが、「どちら側に住むか?」だけの選択は間違えないようにするのが良いと思います。