米中貿易戦争が激化している。アメリカは5月10日、2000億ドル相当の中国からの輸入品に対して、追加関税率を10%から25%に引き上げると発表した。さらに、これまで制裁関税がかけられてなかった3000億ドル相当についても、最大25%の関税をかけるとしており、13日にはその具体的な対象品目が明らかになった。スマートフォン、ノートパソコン、衣類、おもちゃなどが新たに課税対象となることになった。
一方、中国は13日、これに反撃。600億ドル相当の輸入品に対して6月1日より、5~10%の追加関税率を大部分引き上げ、5~25%にすると発表した。
こうした一連の動きに対して、中国本土株式市場はどのように反応したのだろうか。まず、5月10日についてみると、発表直後の取引となる後場寄りで、上海総合指数は、わずか5分で2%弱下げる急落となり、前日比0.4%安まで売り込まれたが、そこから急回復、大引けでは3.1%高となった。
上昇の目立ったセクターは半導体・部品、電子部品、PC関連、通信、通信設備など、追加関税がかけられているところが総じて買われた。証券、保険も大幅高となっており、短期的な相場の戻りを予想する市場参加者が多かったと言えよう。
ただ、上海、深セン両市場合計の売買代金をみると6102億元に留まっている。4月下旬以降、商いが低迷する中で、大きく改善したわけではない。短期筋の買いが入っただけとみられる。
週明け直後の13日は寄り付きから1.2%安まで売られており、その後は狭いレンジでのもみあいとなっている。
現段階では、次の協議日程は未定である。トランプ大統領、習近平国家主席は6月下旬に大阪で開かれるG20に出席する予定だが、会議の前後、あるいは合間に両者の会談が持たれる可能性はある。そこまでは、このまま進展がないかもしれない。