薄毛が進行するうちにかつらや発毛、育毛の選択肢を検討し始めたAさんだったが、あるハリウッド俳優が出演する映画を見てから、考え方が変わったと話す。
「ニコラス・ケイジ、かっこいいですよね。薄毛がむしろメリットに思えるようなオシャレさやそのオーラに魅了されました。日本人は“薄毛は恥”みたいな感じで萎縮しがちですけど、極端な話、ハゲも個性。ハゲた自分も自分なので、堂々と潔く勝負しようと思いました」(Aさん)
また50代男性のBさんは、スキンヘッドにしてダンディ路線を追求。昼休みに会社のビル周りを走ったり、ジムで体を鍛えたりするなどボディメイクにも妥協せず、服や帽子、眼鏡などファッションにも気を遣うようになった。その結果はこうだ。
「以前より、あまり薄毛を意識しなくなりました。体を鍛えた副産物として、ずっと悩まされていた腰痛や肩こりも緩和され、仕事にも集中できるように。女性部下にも、今のほうが良いと好評です」(Bさん)
Bさんのように、薄毛に悩み始めたらいっそのことスキンヘッドにする人は少なくない。こうした意識の変化を、髪のプロである美容師はどう見るか。ベテラン美容師のCさん(男性)が語る。
「スキンヘッドにする人がじわじわと増えている実感は確かにあります。清潔感を重視したいというお客様からのリクエストが多いですね。ただ、スキンヘッドの維持にはこまめなお手入れが欠かせないので、そこは事前に覚悟しておくべきでしょう」
薄毛を必死に隠すのではなく、堂々と晒すほうがいい、と考える人は、これからも増えていくのかもしれない。