10月1日に実施予定の10%への消費増税に3度目の延期論が浮上している。安倍首相がまたも“新しい判断”をすれば大混乱も予想される。国民の生活防衛の“定説”も一変しかねない──。
日本経済を暗雲が覆っている。政治部記者が語る。
「米中の貿易戦争は収束する気配が見えません。米国は制裁関税の第4弾を準備中で、発動されれば日本経済への悪影響は避けられない。菅義偉官房長官も会見で、株安や円高の進行に『高い関心を持って注視していく』と述べています。
こうした不安材料が相次いでいることから『安倍首相が増税延期を大義名分に解散を打ち、衆参同日選に持ち込む』というシナリオがにわかに現実味を帯びてきた」
Xデーは「7月1日」か
増税延期は多くの国民にとって“まさか”の話だ。
増税まで1年を切った昨年10月、わざわざ臨時閣議を開いた安倍首相が「法律に定められた通り消費税を引き上げる」と述べたのは、過去2回にわたって「増税の約束」を先送りした印象を払拭するためだった。
それが「3度目の翻意」となれば混乱が起きるのは必至だ。景気の落ち込みによる国民生活への悪影響が予想される10%への引き上げに合わせ、政府は今年度予算でポイント還元制度やプレミアム商品券など2兆円を超える経済対策を盛り込んだ。