住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「門前仲町」(東京都江東区)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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東京を語る際、分かりにくいのが「下町」という表現。その語源は、文字通り「低い所」という意味で、「山の手」と対比して使われ、日本橋、神田、浅草などを指しますが、今では「庶民的」という意味で使われることも多く、赤羽や蒲田などもしばしば下町として括られます。そんな中、今回取り上げる門前仲町は、江戸の風情が残る“正調”の下町。江戸っ子が住まう「門仲(もんなか)」の住む街としての実力を見ていきましょう。
鉄道は東京メトロ・東西線と都営大江戸線の2線。その2線が東西南北に走っている上、大手町までもたった5分で、鉄道は非常に便利です。JRが通っていないことにはちょっとした不満も残るかもしれませんが、JR京葉線の越中島駅がそう遠くないので、住む場所を選べばJRとの併用も可能です。
道路状況も悪くありません。江東区は23区の中でも道が分かりやすい上、駅周辺の道幅は広く、首都高速の入り口もすぐ近くです。豊洲やお台場など、新興の買い物ゾーンへも車ならあっという間ですし、ディズニーランド、船橋や幕張あたりでの買い物、房総方面への観光といった選択肢もあるので、車は欲しいところです。