また一見マジメな学生のなかにも、教員に依存する「かまってちゃんタイプ」の学生もいるようだ。全国でもトップレベルの有名私大に勤務する男性教員・Bさん(50代)が語る。
「大教室の講義でつねに最前列に座り、熱心にメモを取る学生は一定数います。しかし、そのなかには講義の前後に毎回教員のもとにやってきて長時間教員を拘束するタイプの学生がいます。長年、大学教員をしていて気づいたのですが、彼らは『質問』というタテマエで教員と話したいだけ、というのが本音ではないでしょうか。あるいは教員と親しいことを周囲の学生にアピールすることを目的としている。
講義内容について答えているうちに、プライベートな相談をして2人で会おうとする学生も少なくありません。男子学生、女子学生ともにいます。話していると、彼らは自分に関与してくれる大人の存在を欲しているだけで、学問に関心があるわけではないことがわかります。私はふざけて騒いでいる学生よりも、このような自己肯定感のために教員に依存するタイプの学生に、より注意を向けるようになりました」
Bさんは、彼らに注意を向ける理由について、こう続ける。
「彼らには悪意がない。その分、こちらが距離を縮め過ぎたり、突き放したりすると精神的にダメージを負いやすい。いきなり恨みへと転化することもあります。精神的に未熟な学生ほど『この人なら自分の気持ちを分かってくれる』と思い込み、心酔しやすいのでしょう」(Bさん)
女性教員に過剰な母性を求める学生や、自己肯定感のために教員を独占しようとする大学生まで、「甘え」の種類はさまざまだ。大学の偏差値にかかわらず、いつまでも「子ども」として扱われたいと願う学生が増えているのかもしれない。