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「働き方改革」で残業代激減、住宅ローンを払えなくなる家庭も続出

1990年代後半以降、世帯収入は急減

1990年代後半以降、世帯収入は急減

 誰もが働ける「一億総活躍社会」の実現に向けた、安倍政権肝いりの成長戦略として進められる「働き方改革」。長時間労働の是正、同一労働同一賃金を目指し、この4月からは「働き方改革関連法」も施行された。

 一方で、バブル崩壊以降、大部分の人の収入は低迷している。1990年代後半には、家計の不足分を埋めるべく妻が働きにでるようになり、共働き世帯は増加の一途をたどっているが、世帯あたりの月の可処分所得は、ピーク時の1997年から約7万円も下落。共働き世帯の増加とは対照的に、収入は減少の一途を辿っているのだ。

 こんな状況で「働き方改革」が実施されるとどうなるか。家計再生コンサルタントとして有名なファイナンシャルプランナーの横山光昭さんは話す。

「働き方改革は、成果どころか、家計への弊害ばかりが考えられます。残業が規制されることで年収が数百万円単位で減少する人もいる。それで家計が立ち行かなくなって、住宅ローンを払えなくなる家庭が続出しています」

 都内に住むパート主婦の山田さん(仮名)もそのひとりだ。証券会社に勤める山田さんの夫は、働き方改革を見据えた残業規制で、年収が300万円も減ってしまったという。

「残業代やボーナスで払えるだろうと思い、ちょっと背伸びをして、月の返済額が20万円近い住宅ローンを組んでいました。でも、こんなにも減らされたら、ひとたまりもありません。数か月返済を滞納していましたが、銀行から督促状が届き、ついに今年初め、家を手放しました。たったの1年でここまで変わるなんて、信じられません」

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