投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が6月3日~6月7日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円はもみ合いか。5月米雇用統計など重要経済指標は底堅い内容となっても、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測は払しょくされず、リスク選好的なドル買いは入りづらい見通し。5月ISM製造業景況指数は前回実績を上回る可能性があり、5月米雇用統計では失業率が半世紀ぶりの低水準(3.6%)を維持すると予想されているものの、米中貿易摩擦の深刻化・長期化を警戒してリスク回避の円買いは継続する可能性があるため、ドルを下押しする場面もありそうだ。
中国政府がレア・アース(希土類)の輸出規制に言及し、今後の双方の制裁が激化するとの見方からリスク回避の円買いが強まりやすい。欧州では、イタリアの財政規律をめぐり反欧州連合(EU)路線が強まり、今後のユーロ体制維持に懸念が広がっていること、英国の政治不安は払拭されていないことから、ユーロ、英ポンドに対しては安全逃避のドル買いが見込まれる。しかしながら、ドル・円の取引についてはリスク回避の円買いがやや優勢となる可能性がある。
【米・5月ISM製造業景況指数】(6月3日発表予定)
6月3日発表の米5月ISM製造業景況指数は53.0と、4月の52.8をやや上回る見通し。4月耐久財受注などは低調となったが、先行指標とされる5月NY連銀製造業指数は改善されており、製造業の回復を見極める材料に。
【米・5月雇用統計】(6月7日発表予定)
6月7日発表の5月雇用統計は、失業率3.6%(前回3.6%)、非農業部門雇用者数は前月比+19.0万人(同+26.3万人)、平均時給は前年比+3.2%(同+3.2%)と見込まれる。米国の雇用情勢は引き続き良好であり、株価の押し上げ要因に。