創業家をめぐるトラブルが、企業価値そのものを揺るがす事態が相次いでいる。
2001年にトステムとINAXが経営統合してできた住宅建材の最大手住宅建材のLIXILは、取締役会議長として同社を引っ張ってきた潮田洋一郎氏(トステム創業家出身の2代目)と、プロ経営者として招いた瀬戸欣哉・前CEOが経営路線を巡り対立。潮田氏は瀬戸氏を事実上、解任した。
するとその過程に不透明な点があったとして、海外投資ファンドが反発。瀬戸氏は旧INAX創業家出身の伊奈啓一郎取締役や川本隆一取締役と手を組み、潮田氏の解任を求める事態に発展した。
LIXILのようにガバナンスの問題であるうちは、まだいいかもしれない。いつ終わるとも知れない親子の感情的な対立が、問題の解決を困難にしているのが大塚家具だ。
大塚家具は2015年に大塚久美子社長が父で創業者である勝久氏を会長退任に追い込んで以来、対立が続いている。大塚家の事情を知る関係者たちは「父・勝久氏は娘の久美子社長が歩み寄ってくれれば、許したいのが本心ではないか」と口をそろえる。しかしそうはいかない事情がある。