FX(外国為替証拠金取引)におけるユーロ円やポンド円といった「クロス円」は、値動きがドル円よりも激しいこともあり、日本の個人投資家から人気を集める。FXで億単位の利益をあげているカリスマ主婦トレーダーの池辺雪子さんは、クロス円の取引にはマーケットを俯瞰することが重要という。直近の見通しとあわせてクロス円相場の向き合い方を解説する。
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米中貿易摩擦の再燃により、株式市場は下落基調に転じ、為替相場も円買い圧力が強まったことで、クロス円は下落しました。
クロス円に大きな影響を与えるドル円相場をフィボナッチリトレースメント(以下フィボナッチ)というテクニカル指標を用いて見ていきましょう。フィボナッチは上昇相場における押し目価格、下落相場における戻し目価格の目安を割り出すことができるテクニカルツールです。
ドル円は年初の安値1ドル=106.175円から1ドル=112.41円まで上昇した「約6円幅」に対して61.8%押した価格を割り込んできました(価格はくりっく365に基づく、以下同)。執筆時点では76.4%押した価格付近で推移しています。
ドル円と連動しやすい日経平均株価もフィボナッチで分析すると、昨年末の安値19029円から戻り高値22525円まで上昇した「約3500円幅」に対し61.8%押した価格で、下落は止まりました(価格はくりっく株365に基づく)。下押しが一旦落ち着いたのは、日銀によるETF買い入れが直近は連日行われていたことも、影響しているかもしれません。