予防より、自分らしい生活へのこだわりを
認知症予防は大きな関心事だ。しかし、何か特定のサプリメントや運動などで防げるほど、認知症は単純なものではないと内門さんは言う。
「認知症に密接に関連している糖尿病や脳血管疾患などの生活習慣病を防ぐこと。たとえば血糖コントロールや肥満対策、バランスのよい食事や適度な運動、飲酒やたばこの節制など、ごく当たり前の健康的な生活をする方が認知症予防としては現実的です」
ただ、その一方で、認知症は誰でもなり得ると考えておいた方がいいとも言う。
「もし明日転んで脳出血を起こせば、若年性認知症を発症する可能性はグンと高くなる。また、若年でならなくても、年を重ねれば多くの人が老年性の認知症になるわけです。そして認知症になっても、そこで終わるわけではなく、その後にも人生が続くのです。
認知症にならないことにこだわるより、人生を充実させることの方が大切。自分が好きなこと、趣味や目標をしっかり持って楽しむことです。たとえ認知症になったとしても、周囲の助けを得て自分らしい生活を続けることで、症状の進行も緩やかになります。若年性認知症になっても、生き生きと生活されている人はたくさんいるのですから」
※女性セブン2019年6月20日号