ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが話す。
「投資を始める際、最初のハードルとなるのが銘柄選び。投資のプロに資金の運用を任せる投資信託でも、6000本以上の商品があります。そこから自分に見合ったものを選ぶのは、初心者には難しい。
その点、証券会社などが提供する、AIを使った『ロボアドバイザー(ロボアド)』サービスは、簡単な質問に答えるだけで自分に合った銘柄を選んでくれ、運用まで自動で行ってくれるんです」(深野さん・以下同)
ロボアドが日本でサービスを開始したのは2016年頃。かつて、富裕層向けに金融機関が行っていた「おまかせ投資」のサービスが自動化され、徐々に一般に人気を集めている。投資顧問業協会によると、人気ロボアドサービス「WealthNavi(ウェルスナビ)」、「THEO(テオ)」、「楽ラップ」の3つの合計運用残高は、2018年3月の1220億円から12月までの9か月間で1881億円と50%以上も拡大。利用者数も約13万人から21万人に急増した。当初は数社のベンチャー企業だけだったが、今や大手証券会社やメガバンクも続々参入している。
ロボアドは、年齢や金融資産額、投資の経験といった簡単な質問に答えるだけで、預けた資金に対してどの程度のリスクを取れるか(「リスク許容度」と呼ぶ)などをAIが判断。自分に合った商品を割り出し、商品への資金の配分から売買まで自動で行ってくれる。
「ロボアドの投資先は、主に投資信託やETF(上場投資信託。株と同じように売買が可能)などです。株や債券などの資産の比率や配分、投資先地域を世界に分散させるなど、AIが価格変動のリスクを軽減しながら運用します。ロボアド会社によって差はありますが、1000円と少額から始められるのも人気の理由の1つです」