だが、パート主婦には、夫の扶養内で働きたい人も多い。厚生年金に加入するのと実際はどちらが得か。
たとえば、50才から月給10万円で10年間働いた場合、厚生年金に加入すると、月約9000円の保険料で年金受給額は月額約7万円。一方、厚生年金に加入せず、扶養のまま同条件で働いた場合、保険料はゼロだが、国民年金受給額は約6.5万円だ(図参照)。
厚生年金に加入した場合、支払った10年分の年金保険料の元が取れるのは約82才。受給額が約5000円しか変わらないことを考えると、扶養内で働き続けた方がメリットは大きそうだ。
ただ、厚生年金に加入すれば、健康保険にも加入することになり、万が一の時も、1年半の間、一定の給料が受け取れる「傷病手当金」の対象になるなどのメリットもある。
60代は、「いつ受給開始するか」が悩ましい。現在、年金は原則65才から受給開始できるが、希望すれば60才から受給を早める「繰り上げ」と、70才まで受給を遅らせる「繰り下げ」が選べるからだ。
「老後資産を減らさないためには、基本的には65才の受給開始を基本にしましょう。繰り上げは早くもらえる代わりに、60才から受け取った場合、年金が3割も減ります。女性は男性に比べ寿命が長く、長生きするほど損します。
一方繰り下げは、遅く受け取る分、70才で受け取った場合、約4割も年金が増えます。しかし、高齢になるほど病気や死亡するリスクも高まるため、あまりおすすめしません」(北村さん)
※女性セブン2019年6月27日号