投資情報会社・フィスコが6月17日~6月21日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は弱含みか。連邦準備制度理事会(FRB)は18-19日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きが決定される見込みだが、声明で7月利下げを示唆するとみられ、ドル売りに振れやすい展開となりそうだ。また、米中貿易摩擦の行方が注視されており、リスク回避の円買いがただちに縮小する可能性は低いとみられる。
6月12日に発表された米消費者物価指数(CPI)は、前年比でコア指数も含め市場予想を下回り、インフレ鈍化を印象づけた。市場では、7月30-31日のFOMCでの利下げに向け来週の会合ではその手がかりが示されるとの見方が広がっている。そのため、ドルに対して下落圧力がやや強まる見通し。
ただ、ドル安基調で相対的に買われてきたユーロに関しても、欧州中央銀行(ECB)当局者から一段の緩和政策に関する発言が聞かれ、域内経済の弱さを示す指標により買いは入りづらい。6月21日に発表される6月のマークイットユーロ圏製造業PMIなどの経済指標が市場予想を下回った場合、ユーロ圏の金利先高観は一段と後退し、ユーロ売り・米ドル買いが優勢となりそうだ。
一方、米中貿易協議の行方も引き続き注目されよう。トランプ米大統領は中国に対し追加制裁をちらつかせる半面、最終的には合意を目指すなどと揺さぶりをかけ、市場はそれに振り回される状況が続く。今月28-29日開催の20カ国・地域サミット(G20)で米中首脳会談が開かれる可能性があるため、米中対立に対する過度な懸念は後退しつつある。ただ、最終的な決着までは到達できないとの思惑は消えていないことから、リスク回避的な円買いが再び広がる可能性は残されている。