「アベノミクスが始まって以降、年金積立金は40兆円も増えたという報道も見たことがあります。しかし、それほど運用で増えているにもかかわらず、『2000万円不足問題』が出てくるというのは、大きな問題ではないでしょうか」(40代・会社員)
「現状の年金制度では、20歳から60歳までの40年間保険料を払い、65歳から20年かけて年金をもらうとほぼ同じになる。でも今後は、保険料が上がる、保険料の払う期間が延びる、支給開始年齢が遅くなる、もらえる年金額は減る……といったことが予想されます。こうなればどう考えても払った保険料と給付額は釣り合わなくなりますよね」(30代・会社員)
「年金は破綻しないというが、支給開始年齢を遅くし、給付額を減らせば破綻はしない。でもそれって実質的に破綻状態なのではないでしょうか」(30代・会社員)
今回の「年金返せデモ」は年金制度の解体を目指すものではない。その掛け声は「生活できる年金を払ってほしい」「年金制度を破綻させるな」などというもので、国民が年金に期待しているからこそ、起こったものではないか。
とはいえ、「現状の年金制度があれば将来は安心だ」と考えている人は少数だろう。今回の「2000万円問題」「年金返せデモ」を、それぞれが年金制度を考えるきっかけとしたい。