IT企業に勤める30代・Bさんは、新卒社員の教育指導担当。会社側はどのようなことを考えて、新卒に電話での営業を任せているのかだろうか。
「学生時代に過ごすのはサークルやゼミの友人などといった狭いコミュニティですが、社会人は違います。学生時代の友だちは、自分がどんな人か大体理解して接してくれていますが、ビジネスとしてのコミュニケーションで大事なのは、自分と付き合うことで相手にどのようなメリットを与えられるかということ。相手が何を課題に感じているかを親身になって傾聴し、その解決策について共に考えて、解決策を導き出すテレアポ研修には、営業活動の神髄が詰まっているんです」(Bさん)
ただの研修ではなく、テレアポによって助けられる例もあると語る。
「過去に営業を断られた経緯や、とっつきにくいというイメージだけで先輩営業が敬遠していた企業を、先入観のない新卒のテレアポで開拓し、大型受注につながることもありました。もちろんトラブルが起きる場合もありますが、ある程度はこちらも想定内。いざとなれば一緒に謝りにいくことも、勉強の機会になります」(Bさん)
もちろん、成功につながるケースは少ないかもしれないが、会社側はそれも含めて織り込み済みのようで、こうして今日も、新人たちのテレアポ研修は続いていく。