27日のNYダウは小幅ながら3日続落したもののナスダック指数は続伸となった。28日の東京市場は主要20カ国・地域首脳会議(G20)の開催を控えて、29日の米中首脳会談での貿易協議の進展に関心が集まる中、買い手控えムードが先行した。為替が円高方向に傾斜したことから、日経平均は反落し、終日マイナスゾーンで推移した。ただ、JASDAQ平均、マザーズ指数は小幅続伸した。
今週の日経平均は方向感がつかめない中、もみ合い相場が継続しそうだ。G20と並行して実施の米中首脳会談での貿易協議に大きな進展は期待薄だが、協議自体が実施されたことで、目先のアク抜け感が浮上する流れに向かいやすい。ただ、今週は経済指標と政治面でイベントが控えており、見送りムードを誘いやすい。
経済指標スケジュールとしては「日銀短観」と「米雇用統計」と2大イベントが控える。7月1日の朝方寄り付き前に明らかとなる「6月の日銀短観」は、大企業製造業の景況感が2四半期連続で悪化との事前予想があるなか、政府の消費税引き上げ判断や日銀の金融政策に影響を与えることは無いと、マーケットでは見られている。
日本時間5日の21時30分に明らかとなる「米6月雇用統計」については、相場への影響が翌週となるが、FRBの利下げタイミングと為替相場への影響も予想されることから、週後半は模様眺め材料となりそうだ。
このほか、政治イベントとして4日に参院選公示(21日投開票)が控える。政権与党の大敗がなければ相場的には中立要因だが、選挙期間中はリップサービスが先行して悪材料は出にくい傾向がある。
一方、日経平均はテクニカル的にも悩ましい展開となっている。日足ベースでは、26日安値はピタリと25日移動平均線(21033円)がサポートした。27日は低下してくる基調の分岐点である5日移動平均線(21232円)を回復し、28日も上回ったことで下げ止まりの第一ステップとなり、上値抵抗の75日移動平均線(21402円)をとらえる格好となっている。一方、週足ベースでは、上昇に転じた26週移動平均線が下値支持、横ばいが継続する13週移動平均線が頭抑えラインとして働き、方向感が見いだせない状況となっている。
全般の方向性が不透明なため、物色人気は引き続き個別対応となりそうだ。3日から東京・晴海で日本最大のバイオ医薬分野における専門技術展が開催されることを意識して、マザーズではバイオベンチャー銘柄の出来高が膨らんでいる。また、2月期本決算企業の第1四半期(3-5月)決算の発表が本格化する。主要どころでは、3日にニトリHD<9843>、4日に7&iHD<3382>、ABCマート<2670>、5日にイオン<8267>が発表する。
今週の主な国内経済関連スケジュールは、1日に日銀短観(6月調査)、6月消費者態度指数、6月自動車販売台数、路線価(国税庁)、2日に6月マネタリーベース、4日に参院選公示(21日投開票)、5日に5月家計調査、5月景気動向指数、「生活意識に関するアンケート調査」の結果(日本銀行)が発表される予定だ。
一方、米国など海外経済関連スケジュールは、1日に米6月ISM製造業景況指数、米5月建設支出、香港市場休場、EU5月失業率、3日に米6月ADP雇用統計、米6月ISM非製造業景況指数、米5月貿易収支、4日に独立記念日で米国市場休場、5日に米6月雇用統計が予定されている。