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親が「転勤族」の悲喜こもごも 友人との別れ、性格の変化…

 Iさんは10代なかばである意味、達観したようだが、Kさん(40代/男性)も度重なる親の転勤が自分の人生を大きく変えてしまったという。

「私が小学生の頃は、基本的に転校生はからかいの標的でした。言葉が違ったり、流行っているものが違ったり、誰でも分かるローカルネタが分からなかったり……。だから何回目かの転校の時、いじめられないように不良っぽいキャラになってみたんです。幸いなことに身体が大きかったので、作戦は成功しましたが、親の転勤がパタリとなくなったため、そのまま不良路線を続けなくてはいけなくなり、成り行きで中学では不良街道を歩むことになりました」

 いじめられないように不良になるとは小学生なりの処世術だが、長きにわたって“ウソ”を貫き通す羽目になったKさん。一方、不幸にもいじめられてしまったのはTさん(40代/男性)だ。

「東京から中国地方に転校した時、言葉遣いが一人だけ違ったため、不良グループに目を付けられてしまいました。本当にもう限界で、もう学校に行くのを止めようと思った頃に、父に東京に戻ることを告げられ、涙を流して喜びました」

もちろん、親の転勤で不幸になった人ばかりではない。転勤が良い経験だったと語る人もいる。銀行マンを親に持つHさん(30代/女性)は、どこに行っても良い思いをしたそうだ。

「自宅は東京にありますが、父の転勤にくっついて名古屋、大阪、福岡、松山でそれぞれ1~2年ずつ暮らしました。休みの度に色々な場所に旅行に連れて行ってもらったのは良い思い出ですし、今でも家には色々な場所からお中元やお歳暮が届きます。私は転校はまったく嫌ではありませんでした」

 海外に渡った人はどうか? Oさん(40代/女性)は小・中・高を計3か国で過ごした経験の持ち主だ。

「私は小学校でベルギー、中学でイギリス、高校でアメリカと、3か国を経験しました。そのおかげで英語とフランス語ができるようになり、受験でも就職活動でも語学は全然苦労しませんでした。ただ、この経験は確かに友人から羨ましがられますし、外国語ができることは自慢ですが、選べるのであれば、ずっと日本で暮らしたかったという思いもあります。TV番組やヒット曲などの話題になると、ついていけないことが多いですね」

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