リストを概観すると、スシロー、はま寿司、かっぱ寿司は中国産が多く、くら寿司と魚べいが少ないように見える。
ネタごとに見ていくと、5大チェーンすべてが中国産だと表記するのはアナゴ。イカとガリは、くら寿司を除く4社が中国産で、軍艦や手巻き寿司に欠かせないノリはスシロー、はま寿司、かっぱ寿司の3社が中国産だ。逆に5社すべてが日本産と表記するのはハマチとアジだった。
ここで注目したいのは、一口に「中国産」と言っても、必ずしも「中国で獲れた水産物」を意味するわけではない点だ。むしろこの業界において、中国は“加工工場”としての役割が大きいという。『回転寿司の経営学』の著書がある回転寿司評論家・米川伸生氏が指摘する。
「販売単価が安く原価率が高い回転寿司は、加工の人件費を少しでも安く収める必要があることから、中国の工場が多くなっています。アラスカや南アフリカなどで獲れた安価な食材を人件費の安い中国の工場で加工した後、日本に運ぶケースが少なくありません」
※週刊ポスト2019年7月19・26日号