「食の安全」については、大きな関心事となっているが、外食産業の中でもとりわけ気になるのは「鮮魚」を扱う回転寿司だ。回転寿司の市場規模は年々拡大して2018年に6000億円を突破。ファミリー層を中心に人気の高い回転寿司のネタに、「中国産」はどのくらいあるのか。
「スシロー」「はま寿司」「くら寿司」「かっぱ寿司」「魚べい」の5大チェーンがHPで公開する情報から、「定番ネタ20」の原産地をリスト化した(別掲)。
では、5社が公表する“原産地”とは、水揚げされた国を指すのか、加工した国を指しているのか。取材を進めると、その定義について各社で違いがあることが明らかになった。行政が推奨するガイドラインがあるものの、義務化されていないために、バラつきが生じているのだ。
加工した場所? 水揚げ港?
くら寿司では、「中国の工場で加工したネタは『中国産』と表示している」(広報宣伝部)という。
「スライスなどの加工までやって、冷凍した製品の状態で国内に持ってくる場合は、最終的な加工をした国が原産地というルールで表記しています。
一方でマグロの場合、外国の船が水揚げし、さく状に分解するなどの作業は日本でやっている。この場合、原料を仕入れている扱いになるので、『外国産』となります」(同前)