「中国の工場で加工」と説明されると不安を覚える消費者は少なくないかもしれない。前述の2007年の冷凍餃子の事件では、河北省にある食品工場の従業員が農薬のメタミドホスを混入させていたことが明らかになり、それをきっかけに中国国内の工場の衛生状態の問題などがクローズアップされた。
ウナギ、アナゴ、カレイを「中国産」と表示する、くら寿司の広報担当者は、現地での加工などの管理体制については、細心の注意を払っていると強調する。
「ウナギは中国の養殖所で獲れたものを加工まで中国でやっていますが、第三者機関の検査を受け、日本に入る際の税関のチェックもある。『中国産』と表示するとイメージがあまりよくないのは承知していますが、安全性に万全を期しているからこそ、HPではすべて公表しています」
くら寿司のように「加工地」を表示するルールだと、中国で水揚げした魚を日本に運んで加工した場合に、“日本産”になってしまう懸念があるが、「人件費が高いので、中国で獲れた食材を日本で加工することはない」(同前)という。
くら寿司と違ってスシロー、はま寿司は基本的に「水揚げされた場所」を原産地としていると回答した。たとえば他国で水揚げされた魚が、中国の工場での加工を経て日本に運ばれてきた場合も、「中国産」の表示にはならない。
スシローを運営するスシローグローバルHDの広報担当者はこう説明する。
「中国で加工するケースはもちろんあります。中国の工場に限らず、取引業者と弊社で連携し、安心安全な品質の商品の仕入れに努めています」