改めて別掲のリストを見ると、原産地が世界各地に広がっていることがわかる。回転寿司のレーンには世界の大海から集まったネタが流れているわけだ。
「大手各社は、品質管理に注意を払いながら、原価率の高いネタと低いネタを巧みに組み合わせて利益を出している。気候や天候で捕獲量が変わる水産物は、安定した価格で安定した量を仕入れることが重要課題。各社は中国だけでなく世界中にパイプを広げている」(業界紙記者)
そうしたなかで、今後も「中国産」の比率が増していくと考えられている。『回転寿司の経営学』の著書がある回転寿司評論家・米川伸生氏がいう。
「中国での水揚げ・加工が減ることはないでしょう。もちろん、中国産と国産が同じ値段なら、国産を食べたい消費者がほとんど。しかし、『2貫100円』といった水準で提供しようと思えば、中国の人件費の安さに頼らざるを得ない」
だからこそ、各社が公表する「中国産」の意味を知った上で、どのチェーンの、どのネタを口に入れるか、消費者一人ひとりが判断しなくてはならない。
※週刊ポスト2019年7月19・26日号