投資情報会社・フィスコが7月8日~7月12日のドル・円相場の見通しを解説する。
* * *
今週のドル・円は弱含みか。主要国の政策金利引き下げの流れが強まり、長期金利の低下を手がかりにドル売りに振れやすい展開となりそうだ。また、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のハト派姿勢を受け、利下げを意識したドル売りが進む見通し。世界的な景気減速懸念を背景に主要国の中銀は緩和方向に舵を切りつつあり、債券買いの流れで米10年債利回りは節目とされる2.0%を割り込む場面が目立つ。
そうしたなか、10-11日のパウエルFRB議長による半期に1度の議会証言が注目される。6月18-19日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の誘導目標を2.25-2.50%のレンジに据え置きを決定。同時に、不確実性が高まっていることを理由に今後入手する情報を「注意深く見守る」との見解を示している。10日には6月会合の議事要旨が公表される。
次回7月30-31日のFOMC会合では利下げが見込まれているが、引き下げ幅は0.25ポイント(25bp)か0.50ポイント(50bp)か見方が分かれているようだ。現時点では0.25ポイントの金利引き下げが有力視されているが、パウエル議会の見解がハト派と受け止められれば0.50ポイントの利下げ観測が広がり、ドル売りに振れやすい展開となりそうだ。
また、トランプ大統領はFRBの理事にハト派寄りの2氏を充てる意向で、目先の利下げ促進が意識されよう。ただ、欧州中銀(ECB)の次期総裁にラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事の就任が見込まれ、ドラギ路線踏襲の見方から、ドル選好に振れる可能性もあろう。