より深刻な経済的ピンチに陥ったのは、教育系機関に勤めるNさん(30代男性)だ。
「転勤を言い渡された時、子どもが生まれたばかりだったので、単身赴任という選択肢はあり得ませんでした。ただ、転勤すれば妻は仕事を辞めなくてはいけません。転勤先の近所の保育園に空きがなかったため、妻はなかなか仕事に復帰できず、一家の収入が激減して、とても大変でした」
食品メーカーのKさん(40代男性)は、東京→名古屋→大阪→福岡と、3回の転勤で西へ西へと移動しているが、細かい出費が腹立たしいという。
「私も妻もインドア派で、家の居心地はとても大事なので、絶対に気に入った家にしか住みたくありません。そのため、転勤が決まるたびに現地に行って、時間を掛けて家探しをするようにしています。もちろんその際の往復の交通費や宿泊費は自腹です。
引っ越しを繰り返すようになって痛感しましたが、カーテンのサイズは物件によって全然違います。3回の引っ越しで3回カーテンを買い替えましたが、これが結構バカになりません。リビングや寝室を合わせれば、毎回10万円単位の出費です。
ウチの子どもは今、小学3年生ですが、転校した先で、体操着、習字道具、音楽の授業で使う笛などをすべて買い直しました。1人だけ違うのを使っていたところ、クラスの子にからかわれたようで、『どうしてもみんなと一緒のがいい』と言うのです」
ただでさえ転校生はいじめられやすいもの。子どもに泣きつかれれば、親の都合で転校させている手前、要望を聞き入れざるを得ないだろう。ちなみに、子どもが習っている水泳教室の入会金も、これまで3回も払っているそうだ。