他にも深刻なのは、「帰省」の問題だ。団体職員のAさん(40代男性)が語る。
「私は東京出身、妻は長崎出身で、結婚後はずっと東京住まいでした。妻の実家への帰省は、年に1回、飛行機の格安チケットで往復していました。しかし数年前に新潟に転勤になると、帰省にかかる費用が数倍に跳ね上がりました。新潟から長崎へ行く最速の方法は、新潟→大阪→長崎と飛行機を乗り継ぐか、新潟→大阪→福岡と飛行機を乗り継いで、さらに特急電車に乗るかの二択です。夫婦で往復10万円以上かかるので、夫婦揃って毎年帰省するのは正直厳しいです」
Aさんは費用を浮かせるため、車で成田まで移動し、LCCで成田→長崎を移動するプランを立ててみたこともあったが、「体力的にあまりにハードなので辞めた」とのこと。今回の証言者は全員、言いたいことは山程あるものの、「会社に“行け”と言われたら行くしかないでしょ」と、諦めの境地だった。