もう一つは、年金給付額が今後どんどん削減されていくことだ。今の日本の年金制度は、現役世代が支払う年金保険料で高齢者の給付を支える賦課方式なので、少子高齢化のさらなる進展により現役世代が減って高齢者層が増えれば、給付額が減るのは自明といえる。
現在の原則65歳支給開始を守る限り、近い将来、公定年金の給付水準は今より4割カットになる。つまり、夫婦で月21万円の年金をもらっているモデルケースいうと、月13万円まで減ってしまうということだ。
年金給付額が今後20年にわたって2%ずつ削減され、105歳まで生き残ると仮定した場合、老後資金の不足金額は私の試算では5780万円に達するのである。それを蓄えろといわれても、ほとんど実現不可能といわざるを得ないだろう。