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社内会議でボツになった電子メモパッド、商品化への道のり

電子ペーパーディスプレイを使用しているため、画面を常時表示することができる

電子ペーパーディスプレイを使用しているため、画面を常時表示することができる

 大手文具メーカー・キングジムが発売した『カクミル』は、紙に書くような感覚で、手書きでメモができる電子メモパッドだ。実はこの商品、クラウドファンディングで1000万円を集めて実現した驚異の文具。ひとりの男性社員が粘り続けて実現した開発物語をお届けする。

『カクミル』は、アラームと画面表示によって、手書きでメモした内容を知らせてくれる電子メモパッドだ。電子ペーパーディスプレイを使用しているため、画面を常時表示することができる。

 開発したのは、同社の東山慎司さん。東山さんは、『カクミル』の前身となる『マメモ』というメモパッドの開発も担当していたが、この商品は、画面が暗く、バッテリーの都合で30秒経つと画面がオフになってしまう。こうした欠点を補いながら、自分が使いたいと思える電子メモパッドを開発したいと、2年前に決心した。

 さっそく社内の会議で企画を出したが、けんもほろろな結果となってしまう。そこで、「まずは市場の声を集めることから」と考えた東山さんは、クラウドファンディングを利用することを会議で提案した。この案は新しいもの好きの社長に受け、さっそく実施することになったが、その対象は『カクミル』ではなく、別の商品。またしても東山さんは涙をのむことになってしまう。

 しかし、東山さんは新商品の機能を一から見直し、どんな電子メモパッドならニーズが生まれるのか研究を行った。テーマになったのは、“机の上の主力メンバー”。『カクミル』は、ToDoリストを手書きで書き込み、アラームで知らせてくれるだけでなく、順番を入れ替えることもできる。使わない時は縦置きにすると、内蔵された加速度センサーで本体の向きを検知して画面表示が自動で上下反転する。

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