ハードブレグジットが実現した場合、ポンドが下落するのは明らかです。それでは、どこまでポンドは下落するのでしょうか。モルガン・スタンレーのレポートでは1ポンド=1ドル(パリティ)を割り込むと分析しています。英財務省、英中銀も同様の分析をしており、GDPが8%低下するという試算もあります。しかし、離脱の期日まで時間もあるため、それなりの準備をすることは可能で、GDPの下落率も8%ではなく、2%程度ではないかとの試算も目にします。
これからのポンドは、市場がハードブレグジットという最悪の事態に備え、下落し続けることも考えられます。しかし1ポンド=1ドルまでの落ち込みまではいかないのではないでしょうか。現状のシナリオは、ブレクジットが実現するまで下げ続け、その後は急回復、というイメージで見ています。
【PROFILE】志摩力男(しま・りきお):ゴールドマン・サックス、ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダー、その後香港にてマクロヘッジファンドマネジャーを歴任。現在はトレーダーとして活動しながら、メルマガ「志摩力男の実戦リアルトレード」も配信中。公式サイトhttp://shimarikio-official.com/。