トレードに向いているのは男性と女性、どちらか。アメリカのある研究では「女性の方が向いている」という結果も出ているという。その結果に同意するのは、カリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんだ。これまで多くのトレーダーに接してきた池辺さんが、直近の相場見通しを踏まえたうえで、男女のトレードの違いについて見解を述べる。
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5月にアメリカが中国に対する追加関税を実施し、米中貿易戦争が再燃した影響で、ドル安や中国株式市場の下落を引き起こしました。6月末のG20での米中首脳会談を経て、両国の貿易摩擦は一旦落ち着きを見せています。他方ではECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁から緩和継続を示唆する発言が飛び出し、為替相場や株式相場のトレンドに変化が現れています。
直近のドル円や日経平均株価をフィボナッチリトレースメント(以下、フィボナッチ)で分析してみましょう。フィボナッチは上昇相場に対する押し目価格や下落相場に対する戻し目価格の目安がわかるテクニカルツールです(レートはくりっく365とくりっく株365を参照)。
ドル円は一時1ドル=107円を下回りましたが、直近の高値1ドル=112.41円から安値1ドル=106.76円までの下げ幅に対する23.6%の水準まで反発しました。このまま上昇の勢いを保つのか、それとも反落してダブルボトムを形成するのか注視します。
日経平均は今年の安値20337円から直近の高値21680円まで上昇した値幅に対する50%水準まで下落しましたが、現在は切り返し反発しています。日経平均は7月21日に控える参議院選挙までは大崩れしないと思われますが、それ以降、どのように推移するのか注目です。
仮想通貨のビットコイン円も、年初は1ビットコイン=30万~40万円台で推移していましたが、6月には1ビットコイン=150万円近くまで急騰。たった3か月で約4倍の価格高騰は2017年のバブルを彷彿とさせます。ただし、仮想通貨相場はチャート分析が機能しにくいのにくわえ、金利収入もないので、私は投資対象とは考えていません。
女性の方がトレーダーに向いている?
さて、ここであらためて、トレードをするうえで男女の性差がどう影響するのか、考えてみましょう。私が数々のセミナーや講演を通じて、多くの個人投資家とお話しした経験から、「女性のほうがトレーダーに向いているのではないか」と感じることがありました。
勝ち続けるトレーダーに必要な条件として、私が常々お話させていただいているのは、「欲や感情に流されないようにする」「リスク管理を徹底する」という点です。そして、それらを素直に習得しようとする人は、女性のセミナー参加者に多い印象です。
一方で、男性のセミナー参加者は、リスク管理や資金管理の習得に苦労する方も少なくありませんでした。「ここは男として勝負するべきと思いトレードしました」とか、「勝てると感じたので取引しました」という体験談はよく聞きました。別の男性参加者は、ひとつの考えに固執して、相場の動きに合わせトレードを柔軟に変更できないことを悩んでいるようでした。
トレードを判断する際に、「男として」というのは一切必要ありませんし、リスク管理も考えずに一気に勝負するのは絶対に避けなければなりません。特に男性は理屈で物事を考えがちですが、相場は理屈で動いているわけではありません。