さて、ウォーキングから帰ってきた山田氏は入浴後にささやかな夕食を済ませてからニュース番組をチェックし、夜11時に就寝した。毎晩寝るのはこの時間で、起きるのは決まって6時半ごろだ。
前出の「社会生活基本調査」によると、65~69歳の1日の睡眠時間は456分で、毎日およそ7時間半寝ていることになる。かつてシニアは早寝早起きと言われたが、山田氏のように十分な睡眠時間をとっている人が意外にも多い。
それでは、なかなか聞きにくいシニアの夜の生活はどうか。山田氏の場合、妻との関係は良好で、月に1度は夫婦の営みを楽しんでいる。
相模ゴム工業調べ(2018年)では、セックスをする相手がいる人が、1か月に行なうセックスの平均回数は、60代男性で月1.1回。60代男女の平均回数は0.9回となる。ちなみに、結婚相手や交際相手以外にセックスをする相手がいるかについては、60代男性の13.4%が「特定の1人がいる」、2.4%が「複数いる」と答えている。
生活は堅実だが、夢は大きい。そんな山田氏が日本の高齢男性の平均像であるようだ。
他人と比較することはナンセンス――そういわれる時代だが、こうして“高齢者の平均値”を知れば、自分の生活レベルが客観的に見えてくる。
※週刊ポスト2019年8月16・23日号