「体重減」は要注意
別掲のチェックリストは、子が親の状態をできるかぎり“客観的”に確認するためのものだ。体調面は、親に直接問いかけずとも「観察」することでわかる情報が多い。
体重の大幅な増減があったり、酒量、顔色などに変化があれば健康状態の異変が疑われる。特に短期間で急激に体重が5kg以上も減少している場合、がんなど大病の可能性がある。
「血圧」や「薬の服用状況」は親に直接尋ねることになるが、その際は「自分の話」から始めるのがコツだ。
「オレも歳をとった。こんな薬を飲んでいるけど、オヤジは?」
「ウチの家系はみんなこの数値悪いのかな?」
などと話を振れば、自然に聞き出すことができる。
薬だけでなく、サプリメントや健康食品の服用状況も知っておきたい。グルコサミンなら関節痛、ブルーベリーなら目の不調など、親が心配しているポイントを知ることができる。
認知症やその予備軍であるMCI(軽度認知障害)の兆候は「実家の状態」や「行動の変化」から察知できることがある。日常的な整理整頓に支障が出たり、家事の段取りが分からなくなるのは日本人に多いアルツハイマー型認知症の典型的な症状だ。
※週刊ポスト2019年8月16・23日号