投資情報会社・フィスコが8月5日~8月9日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。米中貿易交渉の難航で貿易摩擦の再燃を懸念したドル売りが先行するとみられる。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ長期化への思惑は一時後退したが、9月1日より3000億ドル相当の中国製品に対して10%の輸入関税が賦課される可能性があることから、9月利下げ観測が再浮上している。
7月30-31日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通り政策金利の0.25ポイント引き下げが決定された。パウエルFRB議長は「下振れリスクに対する保険」とし、長期にわたり緩和政策が続くとの観測に否定的な見解を示した。3000億ドル相当の対中輸入関税発動が回避された場合、9月利下げ観測は大幅に後退すると予想されるが、輸入関税発動の成否については、予断を許さない状態が続くとみられる。
今週は豪準備銀行とNZ準備銀行が政策金利を発表する。NZ準備銀行は0.25ポイントの利下げを行なう可能性があり、豪準備銀行は緩和的な政策スタンスを示す見通し。また、ユーロ圏の弱い経済指標で回復の遅れが目立つなか、欧州中央銀行(ECB)の9月利下げも見込まれる。主要国の中央銀行のなかではFRBが最も緩和に消極的との見方はあるものの、パウエル議長は年内複数回の利下げの可能性を指摘しており、今後発表される経済指標が低調だった場合、追加利下げ観測が台頭する可能性がある。
【米・7月ISM非製造業景況指数】(8月5日発表予定)
5日発表予定の米7月ISM非製造業景況指数は55.5と、6月の55.1を上回る見通し。好不況の節目となる50は上回るものの、大幅な改善は期待薄か。7月の数値が市場予想を下回った場合、ドル売りが強まる可能性がある。
【米・7月生産者物価コア指数】(8月9日発表予定)
9日発表予定の7月生産者物価コア指数(PPI)は前年比+2.4%と予想されており、インフレ率は6月実績の+2.3%をやや上回る見通し。市場予想と一致した場合はドル買い材料になるとみられる。