「『森繁久彌記念館』をつくった方がいいという声もありましたが、世代が変われば、お荷物になってしまいますから。『終わったことに執着するな』というのは生前の父の考え方です」(建さん)
遺品のほとんどを処分した建さんだが、1つだけ楽しみが残っている。
「今、家に残っているのは森繁久彌の入れ歯やステッキ。それと私が生まれた年のブランデー『ルイ13世』が1本だけ父の酒蔵にあります。私が死んだら意味がなくなるお酒なので、しかるべき時に飲んでやろうと思っています」(建さん)
外食で飲めば1杯ウン万円という貴重な酒は、豪傑の父を偲んで飲むにはピッタリだ。
※女性セブン2019年8月22・29日号