投資情報会社・フィスコが、株式市場の8月5日~8月9日の動きを振り返りつつ、8月13日~8月16日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は2週連続の下落となった。新たな対中関税の発表から4日続落となったNYダウを受けて、週初5日の日経平均は21000円を割り込んで始まった、その後は中国経済の減速懸念から、一時7元台と約11年ぶりの水準に人民元相場が下落した流れが嫌気され、日経平均は一時572.97円安まで下げた。日銀のETF(上場投資信託)買いもあり大引けにかけて下げ幅を縮めたものの、前週の難地合いを引き継いでのスタートとなった。
5日の米国市場では、対ドルに対する中国・人民元安へのトランプ大統領による為替操作非難がネガティブリスクとして新たに浮上して、NYダウは今年最大の下げ幅となる前日比767.27ドル安と急落した。朝方に米財務省が中国を為替操作国に認定したと伝わった6日の東京市場は、円相場が一時1ドル=105円台半ばに急伸したことを嫌気して、日経平均は前日比609.53円安の20110.76円まで下げた。その後、中国の人民元の基準値が市場予想より高めに設定され、円相場も円高から反転したことから、日経平均は大引けにかけて下げ渋る展開となった。
6日のNYダウは、中国人民銀行が為替操作を否定し、人民元相場の基準値を元高に設定したことを受けて6日ぶりに反発した。しかし、7日の日経平均は4日続落となった。中国人民元の基準値が前日よりもドル高・元安水準に決まったことや、円高の進行が嫌気された。
ニュージーランドに続いてタイ、インドの中央銀行が相次いで利下げを実施して、米長期金利が低下し7日にNYダウは一時589.13ドル安を見たが、シカゴ連銀総裁によって「追加利下げの必要性を示唆する」発言を受けて下げ幅を縮小した。8日の日経平均は5日ぶりの反発に転じた。一時マイナスに転じる場面もあったが、人民元の取引基準値が元高・ドル安水準に設定されて、半導体関連や電子部品株が買い直されたほか、前日に決算を発表したソフトバンクG<9984>が買い先行で始まったことが好感された。