投資情報会社・フィスコが、株式市場の9月2日~9月6日の動きを振り返りつつ、9月9日~9月13日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇して21000円台を回復した。週間ベースでは反発となった。
週明け2日の日経平均は、米国による対中制裁関税「第4弾」発動と中国の報復措置により、米中摩擦に対する警戒感が先行して反落のスタートとなった。2日の米国市場がレーバーデーによる休場となることもあり取引は低調で、東証1部の売買高は今年最低の8億0281万株、売買代金は1兆3299億円とおよそ約5年4カ月ぶりの低水準にとどまった。
3日の東京市場も米中が9月に予定している通商協議の日程調整に難航と報じられたことを受けて軟調な展開となった。しかし、引き続き商いが低迷する中で売り込む動きもなく、為替相場の円高一服を支援材料に日経平均は小反発で大引けた。
3連休明けのNYダウは285.26ドル安と、米中貿易摩擦の懸念から4営業日ぶりに反落した。米中貿易摩擦の懸念に加え、8月のISM(サプライマネジメント協会)製造業景況指数が約3年ぶりに節目の50を割り込み景気減速への警戒感が台頭した。英国の欧州連合(EU)離脱を巡る混乱も嫌気された。これを受けて4日の日経平均も前日比マイナスのスタートとなった。しかし、大引けで東証1部の値上がり銘柄は全体の22%にとどまったものの、8月の国内「ユニクロ」既存店売上高が堅調だったファーストリテ<9983>が上昇するなどして日経平均は小幅ながらも続伸で大引けた。
中国人民銀行の預金準備率の引き下げ実施観測、香港で条例改正案が撤回というニュースを受けて4日のNYダウは反発した。さらに、複数の地区連銀総裁の発言を受けて米国の9月利下げ期待や、英国による10月末の「合意なきEU離脱」への懸念後退も加わって、5日の日経平均は一段高に向いた。前場中頃に、10月前半に閣僚級の米中通商協議がワシントンで再開との報道が伝わると指数先物への買い戻しの動きが加わって、日経平均は8月2日以来、約1カ月ぶりに21000円台を回復して大引けた。個別では、東京ドーム<9681>に代わって日経平均の構成銘柄として新規採用されたエムスリー<2413>が急伸したほか、米アップルの新製品発売が伝わったことで村田製作所<6981>や太陽誘電<6976>などハイテク株の一角が上昇した。