投資情報会社・フィスコが、株式市場の9月9日~9月13日の動きを振り返りつつ、9月17日~9月20日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は2週連続の上昇となり、約4カ月ぶりに22000円台を一時回復した。
注目された米8月の雇用統計は強弱感が入り混じる内容だったものの、6日のNYダウは3日続伸し、週明け9日の日経平均も堅調なスタートを切った。その後も、米中貿易協議の進展や欧州などの金融緩和期待などから上げ幅を広げ、日経平均は5日続伸となった。
9日の米国市場はNYダウが上昇、ナスダックが下落とまちまちの展開だったが、ムニューシン米財務長官が米中通商協議の進展に言及したことを好感し、10日の日経平均も終日プラスゾーンで推移した。前日までの5営業日で既に700円近く上昇していたため、後場は高値警戒感から伸び悩んだものの、東証1部の売買高は14億1720万株に膨らみ、売買代金も2兆円台を回復した。
10日の米国市場は、12日のECB(欧州中央銀行)理事会での金融政策発表を控えて持ち高調整の売りが先行する中、中国が米農産物の購入拡大を議論していることが伝わりNYダウは引けにかけて上昇に転じた。この5日続伸となったNYダウを受けて11日の東京市場も買いが先行した。米長期金利の上昇とともに為替の円安が進んだことも追い風として働き、日経平均は21500円台に上昇した。三菱UFJ<8306>などメガバンク株が続伸するなど、米長期金利の上昇で割安(バリュー)株への資金シフトが市場の話題ともなった。
新製品・新サービスを発表したアップルを始めハイテク銘柄に買いが広がった11日のNYダウは6日続伸し、7月30日以来となる27000ドル台を回復した。トランプ米大統領が、中国からの輸入品2500億ドル(約27兆円)分に対する関税の引き上げを、10月1日から15日に延期するとツイートしたことで米中貿易摩擦の緩和が期待され、12日の日経平均は8日続伸、7月25日につけた戻り高値21823.07円を一時突破した。個別ではヤフー<4689>による子会社化が発表されたZOZO<3092>が急騰して東証1部の売買代金トップに立った。米中通商問題で進展が見られたことに加え、12日のECB理事会では利下げや量的緩和(QE)の再開といった追加金融緩和策の導入が決定した。