投資情報会社・フィスコが9月16日~9月20日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)は17-18日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを決定すると予想されており、ドル売りに振れやすい展開となりそうだ。半面、リスク要因の後退で円売りが継続し、ドルを含め主要通貨は下げづらい見通し。足元で発表された米国の経済指標は強弱まちまち。このうち、6日の雇用統計で平均時給は堅調、12日の消費者物価コア指数(CPI)は市場予想を上回っており、インフレ鈍化の可能性は大幅に低下している。
パウエル議長は9月6日に開かれた討論会で世界経済や米国経済にはやや強気な見方を示す一方、FOMCでの追加利下げを示唆しており、市場は25bpの政策金利引き下げを織り込んだようだ。FOMC内には利下げ継続に否定的な意見もあるが、先行き不透明感から慎重姿勢を堅持する方向で討議は一致する公算。トランプ大統領の利下げ要求も意識されよう。しかし、米トランプ政権が対中制裁の発動日を70回目の国慶節に当たる10月1日からずらす配慮を見せ、摩擦解消への期待感が広がる。また、トランプ政権はイランに対する制裁を解除する方針と報じられている。市場取引を収縮させてきた一因であり、そうした懸念が緩和された場合はリスク選好の動きにつながりそうだ。
【FOMC】(17-18日開催)
18日(日本時間19日午前3時)にFOMC声明と金融政策の発表が予定されており、その後パウエルFRB議長が記者会見する。市場コンセンサスは25bpの政策金利引き下げだが、利下げ継続の方針が示された場合、ドル売り材料となる可能性がある。
【米・9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数】(19日発表予定)
19日発表の米9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は10.8と、8月の16.8から鈍化が見込まれる。17-18日のFOMCではハト派的なスタンスが示される見通しで、重要指標の下振れもドル売りは限定的だろう。