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安倍首相が誇る5年で13兆円の税収増、その大部分は増税だった

 まずガソリンや都市ガスなどに課税される「地球温暖化対策税」が2014年と2016年に2回引き上げられた(税収年2623億円)。2015年には「資産の再分配」を名目に「相続税」が大増税され、相続税を納めなければならない対象者は一挙に2倍に増えた。この増税を機に相続税の税収は年間約3000億円増えている。

 昨年からスタートした「たばこ増税」は3年間で1箱あたり60円引き上げられ、第3のビールなどの酒類は大幅増税が決まっている。

 新税の創設も行なわれた。今年1月に導入された「国際観光旅客税」は海外旅行など出国時に1000円が徴収され、2024年から導入される「森林環境税」でも国民1人につき年1000円が新たに徴収される。

 特にじわりと進んできたのがサラリーマン増税だ。「高所得者に多く負担してもらう」という名目で給与所得控除がどんどん縮小され、増税対象者も拡大されてきた。

 まず2013年に年収1500万円を超えるサラリーマン層が増税され、2016年には年収1200万円超、2017年は年収1000万円超、そして2020年からは「働き方改革」による税制改正で年収850万円超の層の所得税が増税される。

 中所得者以上の層には所得税をどんどん増税し、低所得者には逆進性が強い消費増税が重くのしかかった。

 消費税8%への引き上げによる税収増は年間約8兆4000億円、その他のアベノミクス増税を合わせると国民の税負担はざっと年間10兆円(国税と地方税の合計)ほど増えた計算だ。税収が増えたのは景気上昇で給料が増えたからではなく、増税の結果だとわかる。

 その税金はどこに消えたのか。安倍首相は消費税8%引き上げを表明した記者会見でこう語っていた。

「消費税収は、社会保障にしか使いません」

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