投資情報会社・フィスコが9月23日~9月27日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米国の年内利下げ観測は後退し、ポジション調整的なドル買いは続く見通し。中東情勢の悪化など地政学リスクの増大に伴う円買いが強まる可能性は残されているが、米連邦公開市場委員会(FOMC)が公表した声明内容はハト派寄りではなかったとの見方が多く、早期追加利下げを想定したドル売りが広がる可能性は低いとみられる。
欧州中央銀行(ECB)など主要中央銀行がハト派的なスタンスに傾くなか、FRBは一段の利下げに消極的との見方から主要通貨に対するドル買いの流れが続きそうだ。年末に向けての金融政策にはやや強気な見方が出始めており、消費者信頼感や国内総生産(GDP)、個人消費支出など経済指標の内容が材料視されそうだ。このうち、26日発表の4-6月期国内総生産(GDP)確報値は改定値の前期比年率+2.0%の水準を維持できるか注目したい。
市場予想を上回った場合、FOMC内のタカ派メンバーの見解を裏付け、ドル買いにつながりそうだ。一方、米中貿易交渉で摩擦解消への期待感から、円売りは続く見通し。半面、サウジアラビアの石油施設への攻撃について米国はイラン関与の見方を強めており、新たな制裁発動が中東情勢の混乱につながる可能性もあることから、リスク選好的な円売りを抑制する要因となろう。
【米・4-6月期GDP確定値】(26日発表予定)
4-6月期米GDP確定値は前期比+2.0%と、改定値から横ばいの内容が見込まれる。速報値の+2.1%と大きな差はなく、米国経済は底堅いとの見方が広がった場合、追加利下げ観測を弱める要因となろう。
【米・8月個人消費支出(PCE)】(27日発表予定)
8月米PCEのコアデフレータは前年比+1.8%と、前回から横ばいの見通し。FRBの目標でもある前年比+2.0%を引き続き下回り、今後の追加利下げに思惑が広がりやすい。