9月18日に、米国のFOMC(連邦公開市場委員会)が開催され、事前の予想通りに、ドル政策金利の0.25%引き下げが発表された。外国為替市場にとっては、「織り込み済み」であり、特段の反応は無かったようだ。
そして、その翌日(9月19日)に、日銀の政策決定会合が開かれ、現状維持が発表された。日銀の金融政策の現状維持も、事前の予想通り。
日米の金融政策を比較すると、米国は金融緩和策、日本は現状維持であり、相対的に日本の実質金利が高くなる。つまり、日米の金利差が縮小するので、「ドル売り円買い」の材料になるわけだ。
そもそも日銀には米国ほどに金融緩和を行う余地が無い。円金利のマイナス金利をさらに拡大する方法も考え得るのだが、マイナス金利は市場からの評判が悪く、その実質的な効果にも疑問が出ている。
米国ではトランプ大統領が、さらなる金融緩和を望んでいることを表明している。米国の大統領が中央銀行の政策に口を出すことは、市場の常識的には正しい行動とは言えない。それでも、トランプ大統領の圧力を跳ね返すことは、実質的には難しいのだろう。
米国は、年内にさらにドルの政策金利を引き下げることになるのではないか。日米の金融政策を材料にすると、今後、ドル/円では、「ドル売り円買い」が進む可能性が高いと考えられる。
一方、欧州に目を向けると、ECB(欧州中央銀行)も、金融緩和傾向を示している。
振り返ると、7月25日のECB理事会では、事前予想通りに、政策金利の据え置きが発表された。しかし、理事会後の会見で、ドラギECB総裁は、利下げと資産買い入れ策を再開する可能性を示唆した。
そして、9月12日のECB理事会で、中銀預金金利を、マイナス0.4%からマイナス0.5%に変更する金融緩和策が発表され、同時にECBが、債権の購入を再開することも発表された。
さらに、ECBは、フォワードガイダンスを変更し、金融緩和の姿勢を表明している。ECBの金融緩和政策は、「ユーロ売り」の材料であり、「ユーロ売り円買い」「ユーロ売り米ドル買い」につながる。