経営者の手腕と大きなテーマ性に着目
「ひふみ投信」でも、「日本企業の覚醒」という大きなテーマを睨んで有望な銘柄を組み入れているところだ。参考までに組み入れ上位10銘柄(4月末時点)を紹介しておきたい。
1位のあい ホールディングス(東証1部・3076)は、佐々木秀吉会長兼CEO(最高経営責任者)の優れた経営手腕によって、さまざまな事業で安定成長が続く。
防犯カメラシステム運営や建設設計、銀行や病院のカード発券機など事業領域は多岐にわたり、今期(16年6月期)も増収増益を見込む。まだまだ期待の持てる銘柄といえる。
2位は、製造業の人手不足を背景に成長を続ける人材派遣・請負会社のアウトソーシング(東証1部・2427)。国内外の人材派遣会社を買収し、事業ポートフォリオの拡大を図っており、まさに「日本の製造業の覚醒」というテーマに沿った銘柄である。
3位の丸井グループ(東証1部・8252)は、事業モデルを小売りから不動産型商業施設に転換。金融事業では地方でのカード発行枚数増加による収益拡大にも期待したいところだ。
4位のセプテーニ・ホールディングス(東証ジャスダック・4293)はネット広告を軸にマーケティング支援サービスを展開。電子マンガなど事業領域を拡大し、さらなる成長が期待される。
5位は、中小企業向けレンタルサーバなどのインフラ事業やオンライン証券などを運営するGMOインターネット(東証1部・9449)。電子決済処理サービス大手のGMOペイメントゲートウェイを傘下に持つなど、今後も熊谷正寿社長の手腕に期待したい。
6位のデジタルガレージ(東証1部・4819)は、国内外へのベンチャー企業投資やスマホ向け広告事業のほか、オンライン決済やビッグデータへの投資を行なうなど、インターネット関連でまだまだ発展が望めるに違いない。
7位のしまむら(東証1部・8227)は、低価格のカジュアルファッションを全国展開し、日銀が目標とするインフレがなかなか進まないなか、「デフレ関連銘柄」として注目する。
8位のダイフク(東証1部・6383)は、コンサルティング、設計、製造、据え付けなどをワンストップで請け負う保管・搬送システム企業で、ネット通販拡大による企業の機械化投資が追い風になると見る。
9位のヒト・コミュニケーションズ(東証1部・3654)は家電量販店を中心とした営業支援、業務請負を主力に観光分野にも進出し、インバウンド関連として注目。
10位のサカタのタネ(東証1部・1377)は海外向けの種子事業が拡大しており、今後の成長に期待したい。株式市場は絶えず変化している。テーマ株への投資においても、そのちょっとした兆しを見逃さないよう、目を凝らしておきたい。
※マネーポスト2016年夏号