業種別では証券、不動産に注目
それでも、実際に投資するとなれば、さらに精度を上げたいところだ。そこで、「1月の始値で株を買う→12月の終値で株を売る」という条件で、この期間中に、「1月始値と比べて株価が2倍以上になった株を2倍株としてカウント」し、新たな傾向を探ってみよう。
まずは「市場」だ。東証1部(11.8銘柄に1銘柄)、2部(7.8銘柄に1銘柄)より、ジャスダック(6.0銘柄に1銘柄)とマザーズ(3.7銘柄に1銘柄)のほうがより多くの2倍株が出現している。
また、「業種別」で見ると、証券業(4.7銘柄に1銘柄)、不動産業(4.8銘柄に1銘柄)、情報・通信(5.7銘柄に1銘柄)から2倍株が出現しやすい傾向が見て取れた。
さらに具体的に分析すると、①1日の売買代金が5億円未満と小さく、②最低購入価格は10万円以下の株のほうがより当てはまりやすい、といった傾向もある。売買代金が小さい小型株のほうが沸騰しやすく、買うのに100万円超もするような値がさ株より、数万円で買える株のほうが参加者は多く、上がりやすいのは想像通りだろう。
「出来高急増」「高値更新」「市場」「業種」、さらに①や②のデータを合わせることで、より効率よく2倍株を見つけることができるのではないだろうか。
ではこれから株価2倍が期待できる銘柄は何か? これまでの分析結果を踏まえ、業績やテーマ、内包している材料なども考慮し、厳選した10銘柄を上表に挙げたので参考にしてほしい。
やはり見逃せないのは、不動産関連だろう。東京五輪前の再開発ラッシュに乗って黒字化が見込めるRISE(8836)、ドン・キホーテ傘下でビル賃貸・管理を展開し最高益更新が続く日本アセットマーケティング(8922)などは面白い。
ほかにも、内部留保の回復が進み、復配観測が次第に強まりそうな南海辰村建設(1850)、香港系ホテル運営会社の傘下で、訪日客の取り込みで日系ホテル会社よりも優位なアゴーラ・ホスピタリティー・グループ(9704)なども注目したい。
値動きの激しい相場だからこそ、過去のデータから勝率の高い銘柄を狙いたい。
※マネーポスト2016年夏号