また、屋根やサイクルラックなど駐輪場の設備が備わった施設があり、現に住民が駐輪場として使用している場合も同様で、家主が住民の同意なく、突然使用を妨害すると、債務不履行になります。損害賠償請求や家賃の減額請求を受けることになるでしょう。ただし、単に空きスペースに住民が自転車を置いているだけだと、駐輪場提供が家主の義務になっているか疑問です。
家主の実力行使は許されませんが、自転車の撤去を裁判で請求できます。もっとも駐輪がマンション経営に支障がなく、反面、自転車利用が入居者の日常生活に不可欠なケースでは、撤去請求が権利濫用だとされ、認められない案件もあると思います。
※週刊ポスト2019年10月18・25日号