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バイト生活から脱却へ 「賞レース」を目指す芸人たちの努力

バイト生活からの一発逆転を狙って今日も芸人たちはネタを磨き上げている

 少し前までは、テレビでも毎日のようにお笑いのネタ番組が放送されていて、『ボキャブラ天国』(フジテレビ系)や『エンタの神様』(日本テレビ系)、『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)などの人気番組からブレークする芸人が数多くいた。しかし、今ではブレークのきっかけとなるネタ番組が減少しており、芸人にとっては非常に厳しい現状となっている。

 そんな中、芸人がこぞって目指しているのが毎年開催されている『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)や『キングオブコント』(TBS系)、『R-1グランプリ』(フジテレビ系)などの賞レースである。これらの注目度は高く、優勝すればすぐさまニュースとして配信され、その日のうちに仕事が大量に舞い込んでくる。何より、業界視聴率が高いので、たとえ優勝できなくとも決勝に進出すれば、これまで無名の芸人であろうと、様々な番組に呼ばれることになる。

 昨日までバイト生活だった芸人が、一気にスターへの仲間入りができるチャンスがあるのが賞レースなのだ。今ではテレビで見ない日はないほど売れているバイきんぐは2012年のキングオブコントで優勝。ツッコミの小峠英二は決勝戦当日の朝までバイトをしていた。それまで芸人としての最高月収は4万円で、週5日のバイト生活だったが、その後の活躍により「最高月収は1000万円以上になった」と番組で打ち明けている。

 ほとんどの芸人はバイトをしながら生活をしている。彼らにとって賞レースはどのような位置づけなのか。芸歴12年の芸人Aさん(30代)に話を聞いた。

「芸人としての月収は平均して3000円くらいです。バイトを掛け持ちして週5~6日でやっていますが、急なオーディションやライブが入ることも多く、週に2回しかバイトができないというときもあります。いつでも休めるような融通が利くバイトでないと続けることができず、月収は月によってばらばらで不安定な生活です。

 家族や周りからはいつまでそんな生活続けているのという感じで見られているので、こんな生活から一刻も早く抜けるために賞レースでいい結果が残せるように頑張っています」(Aさん・以下同)

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