その他にも、著者が行う時間管理は、現代の管理工学が教える効率化の手段と基本的に同じだ。それを自ら考え出したというのだから、学者並みの才能だ。それどころか、著者の仕事術は、管理工学を凌駕している。それが著者の発想の技術だ。
情報を丹念に集めてスクラップする。そして、これはと思うものは、自ら現場に赴き、話を聞く。そうすると、疑問が解けるだけでなく、想像もしなかった意外な知見が得られるというのだ。アイデアは無からは生まれない。だから、まず動くのだ。その他にも、本書には、すぐに役立つ仕事の知恵が満載だ。締め切りに苦しんでいる人、すぐ発想に行き詰まる人には、文句なしのお勧めだ。
※週刊ポスト2019年11月8・15日号