しばしば大企業の早期退職募集が話題になる昨今。確かに日本の大企業は、いわゆる氷河期世代前のバブル期に多くの社員を採用しており、この世代が現在アラフィフ。そんな企業の中には“真面目に頑張るおじさん”ばかりでなく、“働かないおじさん”がまだまだ存在するという。大手企業の若手社員たちに、「職場にいる働かないおじさん」について聞いてみた。
じっとパソコンを見つめて数時間
メーカーに勤める20代の女性会社員・Aさんは、新卒研修の際に会った「働かないおじさん」が今でも印象に残っている。
「研修先は、発注の伝票処理を行っている拠点。従業員のほとんどが女性で、雇用形態は契約社員や派遣社員などといった非正規の方ばかり。そこで管理職をしていたのが、40代から60代のおじさんたちでした」(Aさん)
かつては営業や生産の現場で働いていたであろうおじさんたち。名目上は管理者として迎え入れられていたが、当時新人であったAさんから見ても、どんな仕事をしているのか、さっぱり分からなかった。
「パソコンの画面をじーっと見つめたまま、数時間。手を動かしている風でもないし、寝ているのかと思ったこともあります。かと思えば通路をうろうろした挙げ句、たばこ部屋にこもってしまい、本当に何をしているのかわからない。
システムトラブルがあっても『なんとかしろ』と言うだけで、それを指示というのかな、と不思議でした。また、資料を作るにも1本指でキーボードを打って、1日で200文字ぐらいしか進んでいないおじさんもいました。働かないおじさんたちを通して、会社で働くことの現実を知りました」(Aさん)