株式投資のように「銘柄」選びに手間はなし
松田:ここで、株式投資との違いについても触れておきましょう。株式投資を実際に買おうとするとき、悩むことがあります。どんなことだと思いますか?
松井:株を発行している会社はたくさんあるので、どの株を買えばいいのか、選ぶのが大変そうな感じがします。
松田:いいところに気が付きましたね。株式投資は、今後業績が上がりそうな企業の株を買って、値上がりを期待するのが基本です。でも実際には国内で上場されている会社だけでも約3800社あって、どの企業を選ぶか迷ってしまいますし、選ぶ際には、会社の財務内容や個別業界の知識もある程度持っておかなければならないでしょう。さらに、もし選択を誤って、投資した会社が倒産すると、株の価値がなくなってしまう可能性もあります。
松井:通貨は価値がなくなることはないのですか?
松田:たとえば当社が取引対象としてラインナップしている外貨は十数種類ですが、いずれの通貨も一定の地域や国の経済規模や活動を背景としていますから、価値がゼロになるといったことは考えにくいですね。また、通貨の取引高は巨大で、ほぼ24時間を通して、売買が可能です。これを背景としたFX取引の大きな魅力は、買いたいときに買え、売りたいときに売れるという取引の「流動性」の高さです。取引の少ない株だと、売るに売れないといった事態も生じかねません。
松井:株式投資とはずいぶん違うのですね。FX取引をしている人には、どんな人が多いのですか。
松田:どのFX業者でも30代、40代の方が多いと思いますが、20代や60代の方々もたくさんおられます。当社の場合、50代、60代の方々に活発にお取引いただいている印象です。投資される方も多彩で、商社、保険会社などにご勤務の方や公務員のほか、主婦の方もたくさんいらっしゃいます。資産や収入が多い人ばかりではなく、すそ野が大きく広がっています。FXは米ドル/円なら約5000円から取引ができるので、始めやすいのではないでしょうか。
松井:お話を聞いていると、私でもできそうな気がしてきました(笑)。
意外と身近なFX取引の活用法
松田:松井さんは音楽大学でピアノを専攻されていますよね。
松井:はい。
松田:お友だちには留学をする人も多いのではないですか。
松井:珍しくはありません。
松田:留学にはかなりの資金が必要になりますよね。例えば、ヨーロッパに留学するには現地の通貨であるユーロが必要になりますが、日本で留学資金を貯めているうちにユーロが値上がりしてしまうと、念願の留学ができなくなる恐れもあります。
松井:円が安くなって、留学先で困っているという話はよく聞きます。
松田:留学を決めたときからFXでユーロを買っておけば、値上がりした分はカバーできるので、ユーロ相場の動向に振り回されることはなくなります。もちろん、逆にユーロが値下がりしたときは、あとでユーロを買った方がお得だったということにはなりますが、何といってもいちばん大事な目的である留学を実現させるためにあらかじめ外貨を買っておくことは、経済的にも、精神衛生の面でも非常に有意義だと思います(笑)。
松井:FXには、そんな身近な活用法があるんですね。海外で高価な楽器を買う人も結構いるので、そういう準備のためにもFXは使えそうですね。
松田:特に、現在はアベノミクスの影響などによって、為替相場で円安が進み、相場の変動も大きくなっています。FXが持つ、外貨の値上がりリスクなどをヘッジする機能は、多くの人に注目いただいてよいのではないかと考えています。