田代尚機のチャイナ・リサーチ

中国政府が絶対に見習いたくないアメリカの民主主義

 日本の大手マスコミはこの内容について、“経済政策に関する記述が少ない、改革開放路線を後退させるようなニュアンスの内容であった”などと評している。“中国の政治・経済は先祖返りするのか”などといった解説もみられる。裏返せば、中国共産党が現体制に強い自信を持っていることの表れとも見て取れる。

 米中貿易戦争を通じて中国の目に映るアメリカの資本主義は、お手本として追従すべき世界で最も素晴らしい国家体制とは大きくかけ離れているようだ。少なくとも、民意が分裂するような国家体制は、中国共産党にとってはもっとも避けたい国家体制であるだろう。中国にとって“アメリカは見習うべき国ではない”のだ。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。