次のアメリカ大統領選挙は2020年11月3日。これから1年かけて、あらためてトランプ氏の大統領としての資質が問われることになる。トランプ大統領はこの3年間、米中貿易戦争を引き起こしたものの、大幅な減税を行い、思い切った金融緩和を促し、何とか景気の好調、株価の上昇を維持してきた。
一方で、国内において岩盤支持層である白人保守層ばかりに目を向けて政治を行うことによって、若者、富裕層、都市生活者、移民者層などから強い反発を受けており、有権者の間で大きな分断を引き起こしている。加えて、看板政策であるアメリカ第一主義は国際社会の秩序を乱し、グローバル社会においてアメリカの孤立化を招いている。
アメリカでは大統領の権限は大きい。行政権においては、特に大きな力を持っており、内外の社会に与える影響力は絶大である。アメリカの有権者が、そうした強い力を持つ大統領として、トランプ氏の再選を選択すれば、国内社会の分断はさらに深まり、国際秩序は更に不安定化する可能性がある。
選挙制度を基礎とする民主主義の、不安定な一面を表していると言えるだろう。この点について、中国はどのように評価しているのであろうか?
中国共産党は10月28~31日、四中全会(第十九期中央委員会第四回全体会議)を開催、「中国の特色ある社会主義制度を堅持し、改善し、国家ガバナンス体系とガバナンス能力の現代化を推進することに関する若干の重大問題についての中国共産党中央政治局の決定」を審議し、その内容を公表した。
それは5000字余りの比較的短い文章であるが、この中で、77か所も「制度」という単語が使われている。そのほか、体系、能力といった言葉も頻繁に使われている。