現場では移動時間も含め、カメラを長回しすることが多い。そのため、膨大なデータの中から映像を編集し、音声やテロップを付ける作業にも時間がかかる。
「誤った内容を放送するなどして迷惑をかけるわけにはいかないため、事実確認には相当の時間をかけます。例えば飲食店に対しては、紹介したメニューが税抜きなのか税込みなのか、営業時間が正しいのか、などといった部分も念入りに確認。水族館でのロケの場合は、映り込んだ熱帯魚の正式名称を確認するために図鑑に目を通すなど、細かく地道な作業が多いです」(同前)
だが、旅番組はどの局も似通った内容で、すでに飽和状態のようにも思える。はたして旅番組の未来はどうなっていくのか。自身も旅番組好きだという芸能ライターが語る。
「旅番組は、目新しい企画がなかなか生まれにくいジャンル。とはいえ、まだまだ強いコンテンツなのは確かです。最近でもバラエティ色を強くした『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京)といった人気番組が出てきていて、出演したい芸能人も多いといいます。タレントのキャラクターもありますが、例えば今は、バラエティでもSNSでも、タレントたちが本当に仲が良さそうにじゃれ合っているのが人気になる時代。旅番組も、旅先がどこというよりは、出演者の組み合わせで、“旅先でほっこり仲良くしている”姿へのニーズなんかもまだまだあると思います」
裏を返すと、ただ旅先の情報を紹介するだけでは、テレビ番組としては通用しにくい、ということ。出演者の人選を含め、まだまだ工夫の余地はあるのかもしれない。